マルチキャストの概要
このページでは、 Google Cloudのマルチキャストの概要について説明します。
マルチキャストは、送信元(マルチキャスト プロデューサー)が同じデータを複数の宛先(マルチキャスト コンシューマー)に同時に送信できるネットワーク通信の一種です。トラフィックを受信するには、マルチキャスト コンシューマーは、マルチキャスト プロデューサーがトラフィックを送信するマルチキャスト グループに参加する必要があります。マルチキャスト グループ メンバーシップは、Internet Group Management Protocol(IGMP)で管理されます。
Google Cloud は、クラウドベースのマルチキャストをマネージド サービスとしてサポートします。Virtual Private Cloud(VPC)ネットワークを使用して、マルチキャスト プロデューサーやコンシューマーとして機能する Compute Engine VM インスタンスをホストできます。 Google Cloud のマルチキャストのリソースモデルと構成可能なトポロジの概要については、マルチキャストのリソースモデルとトポロジをご覧ください。
このドキュメントとマルチキャスト API では、マルチキャスト トラフィックの送受信に関与するリソースを指す用語として、「マルチキャスト プロデューサー」と「マルチキャスト コンシューマー」を使用しています。マルチキャスト プロデューサーは、マルチキャスト パブリッシャー、送信者、ソースとも呼ばれます。マルチキャスト コンシューマーは、マルチキャスト サブスクライバー、受信者、リスナーとも呼ばれます。
仕様
Google Cloud のマルチキャストには次の仕様があります。
- マルチキャスト グループ メンバーシップを管理するための IGMPv2: Google Cloud は、RFC 2236 で定義されているマルチキャスト グループ メンバーシップを管理するために IGMPv2 を使用します。Google Cloud に移行するマルチキャスト アプリケーションは、引き続き IGMPv2 を使用してマルチキャスト グループに参加したり、グループから離脱することができます。詳細については、IGMPv2 の仕組みをご覧ください。
- リージョン内、ゾーン間のマルチキャスト配信: Google Cloudは、マルチキャスト プロデューサーと同じリージョン内のマルチキャスト コンシューマーへのトラフィックの配信をサポートします。マルチキャスト コンシューマーは、マルチキャスト プロデューサーとは異なるゾーンに配置できます。また、マルチキャスト プロデューサーとマルチキャスト コンシューマーの両方が存在するゾーン内のみに配信を限定することもできます。
- ドメインによるマルチキャスト インフラストラクチャの冗長性: Google Cloudは、信頼性の境界としてマルチキャスト ドメインを使用します。各ドメインは、マルチキャスト トラフィックを配信するために個別のインフラストラクチャを使用します。詳細については、マルチキャスト ドメインとグループ範囲をご覧ください。
IGMPv2 の機能
このセクションでは、マルチキャストが構成された後の IGMPv2 の機能について説明します。
マルチキャスト ルーターは 224.0.0.1 に IGMP 一般クエリ メッセージを送信して、マルチキャスト コンシューマーが参加を希望するグループを特定します。
マルチキャスト コンシューマー インスタンスの IGMP を構成するで説明されているように IGMP を構成したマルチキャスト コンシューマーの場合、IGMPv2 は次のように機能します。
- マルチキャスト コンシューマーが、IGMP 一般クエリ メッセージの定期的な受信を開始します。
- マルチキャスト グループに参加する場合、マルチキャスト コンシューマーは IGMP メンバーシップ レポートで応答します。IGMP メンバーシップ レポートの宛先 IP アドレスは、マルチキャスト グループの IP アドレスです。マルチキャスト コンシューマーが応答しなくなった場合、3 回のクエリに失敗した後にマルチキャスト コンシューマーは自動的に削除されます。
- マルチキャスト グループから離脱する場合、マルチキャスト コンシューマーは
224.0.0.2に IGMP 離脱メッセージを送信します。
サポートされているロケーション
マルチキャストは、次の Google Cloud リージョンとゾーンで使用できます。
| リージョン | ゾーン |
|---|---|
us-central1 |
|
us-east5 |
|
プロジェクトへのアクセスをリクエストする
マルチキャストを使用するには、Google によってプロジェクトが許可リストに追加されている必要があります。プロジェクトを追加する場合は、Google にお問い合わせください。許可リストに登録されるまでに数週間かかることがあります。
共有 VPC の場合は、ホスト プロジェクトのみを許可リストに追加する必要があります。
制限事項
Google Cloud のマルチキャストには次の制限があります。
- マルチキャストは、サポートされているロケーションで説明されているように、限られたゾーンでのみ使用できます。
- マルチキャストは、VPC ネットワーク内の Compute Engine インスタンスでのみサポートされます。マルチキャストは、他のエンドポイント タイプではサポートされていません。また、オンプレミス ネットワークやリモート クラウド サービス プロバイダへのアクセスに使用する Cloud Interconnect や Cloud VPN など、ハイブリッド接続オプションでもサポートされていません。
- マルチキャストは IPv4 トラフィックのみをサポートします。IPv6 トラフィックはサポートされていません。
- マルチキャストはレイヤ 4 プロトコルとして UDP をサポートしています。
- マルチキャストはジャンボ フレームをサポートしていません。最大伝送単位(MTU)のサイズは 1,500 バイトにすることをおすすめします。VPC MTU サイズの詳細については、最大伝送単位をご覧ください。
- クロスリージョン マルチキャスト トラフィックはサポートされていません。異なるリージョンで同じマルチキャスト ドメインを有効にして、各リージョン内でクロスゾーン マルチキャスト トラフィックを有効にすることはできますが、この構成ではリージョン間のマルチキャスト トラフィックの送信は有効になりません。
- マルチキャスト グループの範囲に、
/23より短いプレフィックス長(サブネット マスク)を設定することはできません。たとえば、/22は無効なプレフィックス長です。また、多くの個別のアドレスを予約するのではなく、マルチキャスト IP アドレスを範囲にグループ化することをおすすめします。たとえば、256 個の/32アドレスを予約する代わりに、1 つの/24アドレス範囲を使用します。 - Google Cloud では、マルチキャストでの VPC Packet Mirroring または Network Security Integration Packet Mirroring の使用をサポートしていません。
- パフォーマンスの低下やパケットロスを回避するため、特定のマルチキャスト ドメインでマルチキャスト構成が次の値を超えないようにすることをおすすめします。
- ゾーンあたりの下り(外向き)パケット/秒(pps)スループットの合計を 40,000,000 pps 以下にする。
- 1 つのゾーンのマルチキャスト グループあたりのマルチキャスト コンシューマー数を 50 個以下にする。
- マルチキャスト リソースには、マルチキャストの割り当てと上限で説明されている割り当てと上限が適用されます。